一年の約束 〜セルジオからマリアへ その5

 

 

 大好きなマリアへ


 新しい年になりました。
 今年中にはマリアに会えるんだね。
 そう思うと、新しい年がいっそう嬉しいです。

 

 国境でも、新年始めはやっぱりいつもよりは大分賑やかな雰囲気でした。
 でもセステアみたいにみんなで騒ごう!っていうより、新年だから気合いを入れ直そう!って感じ。
 やっぱり国境なんだなと思いました。
 レストカの方の新年はどうなんだろうなあ。ここからでは見えません。残念だ。
 マリアは新年だからきっと綺麗な服を着たんだろうね。いつも綺麗だから、やっぱり綺麗なんだと思います。見たかったな…。
 こちらでもシュレインやフェルディオーレは綺麗な服を着ていました。綺麗なっていうか…派手な…。
 フェルディオーレは確かに、話に聞いていたエルメンリーア姫とイメージがだぶるみたいだね。
 マリアとフェルディオーレは仲良くなれると思うよ。

 

 マリアのお祖父様が本当にセステアにいらっしゃるんだね(これが着く頃にはもういらしたあとだろうか)。
 僕も居たかったなあ。
 父上のあとを継いだら、外交にも力を入れないといけないからね。
 マリアのお祖父様だったら信頼もおけるだろうし、是非お会いしたい。この砦に、まさか来ていただけるとは思わないけど。うんと遠いしね。
 僕が帰ったらきっと貿易が始まっているんだろうね。
 一体何をやりとりすることになるんだろうな。
 とても歯がゆいです。マリア、ちゃんと僕にも教えてね。

 

 そうそう、新年のお洒落をしたフェルディオーレが、マリアに似合う色を聞いてきたので、ローズ色と答えておきました。
 どんな色でもマリアは似合うけど、やっぱりぱっと華やかな色をまとったマリアが、僕は好きです。
 駄目かな?
 僕の思い出の中のマリアがだんだん古くなっていきます。
 4ヶ月前のマリア。
 きっと今のマリアはもっと綺麗になっていると思うけど。
 それでも、ローズ色が似合うと思うのです。

 

 では。今年がマリアにとっていいものでありますように。


新年騒ぎの終わった、国境の砦にて   セルジオ