一年の約束 〜セルジオからマリアへ その4

 

 

 大好きなマリアへ


 元気ですか。本格的に寒くなってきました。
 …前も寒くなったって書いたような気がします。早く、「あったかくなったね」って書きたいなあ。
 暖かくなって、暑くなって、涼しくなるくらいにマリアに会えるはずだから。
 早くその時が来るのを待っています。

 

 今日はえらい目に遭いました。
 シュレインとフェルディオーレの買い物につきあったんだけど、大変だった…。
 二人ともいつまでも迷ってるし、品数は多いし。
 僕の服もあつらえてもらったんだけど、決めるまでに大変でした。
 それに、二人の趣味なのかだんだん派手になっていって…城でも着なかったような布を選ばれるところでした。
 試しに着せてもらった服があったんだけど、刺繍とかひだが沢山ついていて、すごく動きにくくて窮屈だったので止めました(シュレイン達は残念がってたけど)。
 父上に見られたらどんなに笑われるか…マリアも、吹き出すと思う。
 なんとか普通の服が選べてよかったです。
 それから小物とか帽子とか、とにかく色々見ました。
 お昼から行ったのに、帰ってきたらもう夕食の時間だったよ。
 剣術の稽古より疲れました。眠いです。

 

 …と、ここまで書いて昨日は寝てしまいました。余りに疲れたから…。
 ティレックとシードルには、
 「まともにあの二人の買い物つきあったのか、バカだなあ、セルジオ」
 「適当に逃げておけよ」
 と言われました。
 二人とも用事があったわけじゃなくて、逃げていただけみたいです。
 そうならそうと言ってくれればいいのに…。
 なまじ僕は「買い物嫌いじゃないよ」と言ってしまったばっかりに、また誘われそうな気がします。
 どうやって逃げようか、必死に考えてみます。
 あっ、マリアと一緒に買い物行くのは好きだからね。

 

 ええと、こちらでもお茶の時間はあります。
 シュレインが好きだからね。
 ハイトさんはあまりゆったりお茶を飲んだりはしません。シードルもそのへんは似ているので、だいたいお茶をするとなったら僕とシュレイン、ティレック、フェルディオーレの4人になります。
 それはそれで楽しいけど、やっぱり、帰ってマリアお勧めの砂糖菓子を食べるのを楽しみにしています。

 

 マリアのお祖父様は、セステアにいらっしゃるのかな?
 僕もお会いしたかったなあ。僕がセステアに戻ってからもいらしていただけるだろうか。
 是非、宜しくお伝え下さい。
 では。


レストカとの国境にて   セルジオ

 P.S. 父上に伝えて下さい。僕の馬は、至極元気です。