一年の約束 〜マリアからセルジオへ その5〜

 

 

 大好きなセルジオ様へ


 年が明けました!
 セルジオ様、今年中にはお会いできますわね。とても楽しみにしています。

 

 まず新年一番の出来事は、アイルーイから本当にお祖父様が来ました。
 本当に、と書くと言葉が悪いですけれど…でも、まだ信じられないんですもの。
 何年も会ってなかったからでしょうか?
 相変わらず元気で、安心しました。
 お父様と2人して私をからかうし…もう、本当に大変でしたのよ。
 多分、お祖父様のことですからまた来ると思いますわ。セルジオ様にとてもお会いしたがっていましたから。そうしたら今度こそ、私の素敵なセルジオ様を見せてあげようと思います。
 そうそう、お祖父様が預かってきてくれた、お母様からの手紙がありました。
 セルジオ様と離れている日が長く続いていることを心配してるかと思ったら、
 「マリアのことだから、この機会を無駄にすまいとあれこれやっているのでしょう。想像がつきます」
 …ですって。
 お母様は普段おっとりしているのに、どうしてこういう時はお見通しなのか、とても不思議です。
 そしてその文には続きがありまして。

  「でも、何もかもやりすぎないことも大切です。マリアは何かしようと頑張りすぎるところがあるから。
 セルジオ様と離れているときに何かやろうとすることも大事ですけれど、何もしないで色んなものを見て見るのも大事だと思います。
 セルジオ様がセステアにいたときには見えなかったものは、案外すぐ近くにあるのかもしれませんよ」

  だそうです。
 …少し、困ってしまいました。
 お母様は何をおっしゃりたいのでしょうか…。

 

 シュレイン様とフェルディオーレさんとのお買い物、大変でしたのね。
 フリルとかリボンのついた服を着たセルジオ様…見てみたいですわ。
 セステアに帰ってらしたら見せて下さいませ。
 それから、私との買い物は本当にお嫌ではないのですか?
 少し心配になりました。

 

 今月の末はセルジオ様のお誕生日ですわね。
 このお手紙と一緒に、お誕生日の贈り物をお送り致します。
 気に入っていただけると嬉しいです。
 16才、おめでとうございます。
 来年の誕生日は、また一緒に過ごせますように。

 

心だけはいつもセルジオ様のおそばに マリア