一年の約束 〜マリアからセルジオへ その2〜

 

 

 大好きなセルジオ様へ


 無事にお着きになったようで何よりです。とりあえず、一安心しております。
 でも、無事にお着きになったと聞いたら聞いたで、今度はあちらでどうお過ごしなのかしら、と気になったりしますのよ。
 私は、案外心配性だったのかしら。
 気がつくと、息をするように自然にセルジオ様のことを考えています。
 仕方ありませんわね。セルジオ様が大好きなのですもの。

 

 サッカルー公爵様はとても良い方のようですわね。お父様のお友達ですから、悪い方のはずはありませんけど、セルジオ様と相性がよいかどうかはまた別の問題ですもの。
 それに、御家族とも仲良くなられたとか。羨ましいですわ。私は、兄弟は多かったですけれど住んでいたところも別ですし、滅多に会うこともありませんでしたから…。却って「仲のいい兄弟」には憧れます。
 奥方のシュレイン様は、私の母と似たような感じですとか。…おっとりとしていて、1人にするには心配という感じなのでしょうか?少なくとも、私の母はそうですけど…そう言ったらシュレイン様には失礼ではないでしょうか?
 ティレック様とシードル様は、セルジオ様のいいお兄様ですのね。切り離して考えられそうにもないですわ。私の中で、お2人はすっかり組になってしまいました。
 でも、どうしてもサッカルー公爵(私も、セルジオさまがおっしゃるように「ハイトさん」とお呼びした方がよいのでしょうか?)とシードル様を形容する「熊」というのが、私にはよく分かりませんの。…熊のような方………?今いち、ぴんときませんわ。実際お会いしたら分かるのかしら。マリアはまだまだ経験が足りないようです。
 …で…あの……。書こうかどうしようか随分迷ったのですけれど、書かないのもセルジオ様が変に思われると思ったので、頑張って書きます。
 あ、その前にセルジオ様の質問に答えますわね。私は、エルメンリーアのことはそのまま「エルメンリーア」、と呼んでいました。確か、皆こう呼んでいたと思います。エル、とかいう略称は聞いたことがありません。
 …では、書きます。
 フェルディオーレさんって、どんな方ですの…?
 あの、別に深い意味はないんですけれど。…けれど。少し、気になって………。
 ティレック様やシードル様と仲良くしていらっしゃるんですもの、そりゃ、フェルディオーレさんとも仲良くしますわよね。それは分かっているんですけれど。
 …何を書きたいのか、よく分からなくなってきました。
 お気になさらないで下さいませ。

 

 歴史の勉強は、きちんと進んでいます。
 最近は、レストカとサゼスの関わりについて調べています。
 セルジオ様のお役に立てるように。
 …それにしてもようやく1ヶ月経ちましたのね。
 これをあと11回繰り返したら、セルジオ様が帰っていらっしゃると思って頑張ろうと思います。
 ですから、セルジオ様。せめて、お休み前にはマリアのことを思い出して下さいますように。
 私なんて、いつでもセルジオ様のことを考えているのですから。
 では。

 

いつでもあなた様だけの マリア